語り継いでいきたい。
こんにちは、tidaです。
今では見られなくなった沖縄の風習のひとつを紹介しようと思います。
わたしは去年の春沖縄に1週間帰省していました。
目的は「墓じまい」に立ち会うためです。
両親は色々と悩んだ末に父方のお墓の墓じまいを決めました。
お寺さんにお願いして日を決め、親戚一同が集まりました。
お供物をし、線香を焚き、1人ずつ手を合わせお墓を開けます。
開けた瞬間、長年留まっていたどこかカビ臭い空気が一気に広がり、おじーやおばーの骨壷が並ぶ中ひときわ大きな骨壷が目に入ってきました。
ちょうどわたしの腰の位置ぐらいまでの高さがある立派な骨壷です。
それは父の産みのお母さんの骨壷でした。
産みのお母さんは父がまだ幼い頃に病気で亡くなったと聞いていました。
恐らく1950年代のことだと思います。
その頃の沖縄にはまだ「洗骨」という風習が残っていたようです。
洗骨とは、亡くなった方を棺に入れ一度お墓に埋葬し(ご存知の方も多いと思いますが沖縄のお墓は大きいです)何年か経った後に取り出し、酒で骨を洗い清める儀式です。
亡くなった方を埋葬するだけでは子孫に災いをもたらす「死霊」となり、洗骨をすることで「祖霊」に昇華すると考えられていたとのことです。
考えるだけで過酷な儀式ですが、父は産みのお母さんの死の時に経験したそうです。
洗骨を経て埋葬されたお骨はそのままの形で残りますので、骨壷も大きいということです。
わたしはその骨壷を前に、昔の沖縄の時代背景に想いを馳せました。
2019年にガレッジセールのゴリさんが監督・脚本の映画「洗骨」が公開されました。
その映画を見て涙を流していた父。
元々涙もろいのですが、きっと遠い記憶の中に産みのお母さんのことが甦ってきたのだと思います。
今はもうその風習はありませんが、昔からある沖縄の魂と向き合う文化は子ども達にも大切に語り継いでいきたいと思っています。
#スピリチュアル
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